私の人生でたった一度の恋でした。
「でも、やっぱり怖いよ。私は今の関係でいいの! もし、今まで以上に話せなくなっちゃったら私は…。」
星輝は、最後までちゃんと言えなかった。
「なんで、そんな弱気なの?!私が知ってる星輝はもっと強気で何に対しても一生懸命な子だったよ!!」
「私が強気?」
「そうだよ。」
そんな事初めていわれた。
私は、あんな環境で育ったのがあるからずっと強気になれなかった。
だけど、歌優からみたらそんな風にみえてたんだね。
「星輝?ちゃんと気持ちを伝えないといけない時もあるんだよ?」
‘‘ちゃんと気持ちを伝える’’
それが今なんだ。
「ほら、早く自分の気持ちをぶつけてきな!!」
でも…
「でも、やっぱりこわい。」
フワッ
私の目から涙がでそうになった時、歌優が優しく抱きしめてくれた。
「大丈夫。さっきも言ったでしょ?叶星ならわかってくれる。」
まるで、小さい子供をあやすように。
優しい言葉をかけてくれた。
「う、うん。」
とうとう、私の目から大粒の涙がでてきてしまった。
「星輝がんばれ」
「ありがと。」
じゃあ言ってくる。
そう付けたして星輝は出て行った。
その後ろ姿を歌優は優しく見守っていた。