私の人生でたった一度の恋でした。
あれから、一週間過ぎていった。
最初は気まずかったものの、向こうが普通に話しかけてくるのでいつも通りに戻っていた。
「ふぅー。」
「最近、ため息多くない?」
そう言って台所から顔を出した歌優。
「うわ、びっくりした!いきなりでてこないでよ〜。」
「ごめんごめん!で、叶星のこと?」
本当、歌優にはなんでも分かっちゃうんだね。
嘘つけないじゃん。
「まーね。普通に話しかけられると逆に辛いよ。」
「星輝…。」
「でも、しょうがないよね!!叶星にも理由があるんだから!」
その瞬間、歌優の顔が曇った。
「え?なんか、理由でも知ってるの?」
「なんで、そういうところだけは敏感なのよ。」
そう言って苦笑いしていた。
「教えて!理由を!」
「……」
歌優は黙ったままだった。
「お願い!」
「叶星は、お兄ちゃんの事を引きずっているの。お兄ちゃんを殺したのは自分だって。俺は幸せにはなれないって。」