私の人生でたった一度の恋でした。


「二人ともありがとう。」


「別に…。私は歌優のお母さんの味方になったつもりはありません。虐待は許されないことですから。」




「そうね。」


「ねぇ、お父さんにも話したいんだけど…。」



「お父さんは、いないわ。」



「え、なんで…?」



「別の女の人を作ってどこかにいっちゃったの。」



「「は?」」



「私たちが、叶星を置いていって半年が立った頃に出て行っちゃったのよ。




「え、意味わかんない。」



それから、お母さんは少しの間無言だった。


多分、話そうか迷ってるんだと思う。



「お母さん、ちゃんと話して。」



歌優がそういってからやっと真相を話してくれた。




「あれから、私たちはうまくいってなくてね?あの人、浮気するようになったの。隠そうともしないし、家にも女を連れてくるし。」



「でも、すごい仲良かったじゃん。」




「陸翔が死ぬまではね…。それで、ある日手紙を置いて出ていっちゃったの。」




「陸翔が死んでから、私たちの家族は狂っちゃったんだね。」



「そうね…。やっぱり、叶星が悪かったのかしら。」




ダンッ!!



その瞬間、歌優が机を叩いて。




「なにいってんの?!あの事故は誰のせいでもない!!そういう運命だったんだよ!!なんで、また叶星をせめようとするの?!」



「ごめん、ごめんね。」



「私に謝んないでよ。叶星に謝って。」



「おばさん、私からもお願いします。叶星にちゃんと会って謝って欲しいんです。叶星は、一人で苦しんでるんです。」


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