私の人生でたった一度の恋でした。
「歌優に思い知らされたわよ。誰かが悪いんじゃなくて、そういう運命だったって…。」
「運命って…。それだけで片付けられる問題かよ。」
「そう思わなくちゃ前には進めないの!!!綺麗事だと思うけど、実際そうなのよ!」
「俺にはまだ無理だ…。」
「それで、陸翔は喜ぶの?!喜ばないでしょ?!」
「でも…。」
「よく言うでしょ?そんな事してその人は喜ぶの?って。本当その通りよ。私たちなりに現実を見なきゃいけないの。そうしないと、陸翔は…。」
おばさんは、最後まで話せることができなかった。
「ごめん、母さん。でも俺はまだ少し時間がかかるかな。」
「そうね。私もまだ少し時間がかかるわ。ゆっくりでいいからまた家族を作りましょう。」
「そうだね。」
ガチャ
叶星が、部屋からでてきた。
「今日は来てくれてありがとう。」
「お母さんこそ、ありがとう。歌優と星輝さんもありがとう。」
そういって、おばさんは微笑んでくれた。
「じゃあ帰るわね。」
「母さん!!またきてな!」
「えっ?!」
「俺ら、家族なんだから。」