私の人生でたった一度の恋でした。

「ねぇ、叶星って星に願いを言ったら叶うって信じてる?」


私は、いつの間にかそんな事を聞いていた。

こんな子供騙しな話を。



「あぁ。信じてるよ。」


その横顔は本当に、綺麗だった。


「そっか。」


「星輝は?」


「わかんない。願ったことないもん。」


「願って見ればいいじゃん。」


「願う事もないし、第一流れ星じゃないとだめなんじゃない?」


「ははっ、そっか!」


叶星は、私にとってまぶしすぎた。

逃げたかったけど、逃げられなかった。


「こんな時間か。そろそろ帰るか?」


携帯を見たら、10時を示していた。

あんな家、帰りたくない。
もし、まだあいつがいたら…。


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