私の人生でたった一度の恋でした。
先生の頑張ろうで、私の緊張は解けてしまった。
「ヒック、先…せい。これからどうすれば良いの?」
「星輝さんも、学校には行きたいでしょ??だから、薬からの治療にしようと思っている。」
さすが、先生だ。
わかってくれている。
「でも、副作用とかで髪の毛が抜けることや眠気などが来ることになる。それでも入院じゃなくて家での治療にするかい?」
髪の毛がぬける。
それはつらいけど、学校や家に帰らないで皆に心配させるわけにはいかない。
ずっと隠せることではないけど、最後まで隠し通そう。
「家で治療をします。お願いします。」
「わかったよ。でも、親御さんにはどうやって伝えるの?」
あ、そっか。先生には家庭環境が複雑としか言ってないんだっけ。
「自分から伝えるよ。」
「わかった。じゃあそうしてくれ。」
それからは、薬の説明や週に何回は病院にくる。
頭の痛みが激しくなったら絶対に病院にくること。
それだけを伝えられた。
そんな事を聞いたら本当に癌なんだなって実感してしまう。
「でも、まだ死ぬわけにはいかない。」
星輝は、満月の空の下そう誓った。