私の人生でたった一度の恋でした。


おじさんは、全ての書類のサインを書き終わり帰って行った。


でも、ひとつだけ言い残したことがあった。



「お金の事は気にするな。俺が払うから。それと…。星輝がもし危ない状態になったら連絡してくれ。」


それだけを言って帰って行った。



「ねぇ、叶星。」


「ん?」


「あの人、何を考えてるのかわからない。星輝の事好きなの?」


「好きだと思うよ。ただ、愛情表現が苦手な人だったと思う。それで、暴力でしか繋ぎ止める方法しか思い浮かばなかったんだよ。」



「それでも、星輝は可哀想だよ。」


「そーだな。」



それから、私たちは家に帰った。


〜歌優side〜end
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