私の人生でたった一度の恋でした。
「うっさい!!」
「可愛くねーな。あ、ついたぞ!」
いつの間にか、叶星の家に着いていた。
普通の一軒家だった。
大きくもないし、小さくもない。
「そういえばさ、親とか大丈夫なの?」
私の家は、父がほとんど帰ってこないから門限などない。
だけど、それはあくまでも私の家。
普通の家なら、まずいだろう。
「あぁー。大丈夫だろ、親いないし。」
その時の顔はよく覚えている。
どこか、寂しそうな顔をしていた。
「そっか。」
私はあまり、追求はしなかった。
ガチャ
「どーぞ。」
「お邪魔します。」
本当に静かだった。
私の家と同じくらい。
「叶星は、一人っ子?」
「兄キがいたよ。」
いたよ?
なんで過去形?
「ふぅーん。」