私の人生でたった一度の恋でした。

「だけど、先生ができることはすべてやろうと思っている。」


「わかりました…。ありがとうございます。」


「二人とも気を確かにな。」



ガラガラ



そう言って先生は戻っていった。


「30%って…。意味わかんねぇ。星輝が何したって言うんだよ。あいつずっと不幸な女で。やっと幸せをつかめたと思ってたのに。なんで…」



「叶星…。私たちが30%って思っちゃだめだよ。30%も確率があるんだって思わなきゃ。」



「そんな事思えるわけねーだろ。そんな綺麗事…。」


パンッ


その瞬間、叶星の頬に鈍い痛みがはしった。



「ったぁ。なにすんだよ。」



「綺麗事だっとしてもそう思わなきゃだめなんだよ!一番辛いのは、星輝なの?!私でも叶星でもないんだよ!」


この時の歌優は、本当に綺麗だったらしい。


それから二人は泣きながら抱きしめあっていた。


同じ痛みを心に宿っている二人だからこそ分かり合える。

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