シーサイド・ティアーズ~潮風は初恋を乗せて~
「あ、ありました! 宝貝!」
磯に着いてまもなく、私は早々と宝貝を発見した。
手に取り、蓮藤さんに見せる。
「大きなのを拾われましたね」
ツルツルした手触りの宝貝を、指でつつく蓮藤さん。
その時、一陣の潮風が吹きぬけた。
その強い香りが、私の思い出を呼び覚ましていく―――。
「雫。これ、やるよ。一番大きな貝殻だ」
宝貝を私に差し出すショウ君。
「え? いいの?」
「うん、僕らがずっと友達だっていう印だ」
嬉しくて涙ぐんだことを覚えている。
でも、そのことを知られたくなくて、すぐに「ありがとう」と言って、ごまかした。
「うちにある花瓶みたいに、ツルツルだな」
私の手に乗っている宝貝を、指で撫でるショウ君。
その屈託のない笑顔に見とれていたとき、強い潮風が私たちの間を吹きぬけていった。
磯に着いてまもなく、私は早々と宝貝を発見した。
手に取り、蓮藤さんに見せる。
「大きなのを拾われましたね」
ツルツルした手触りの宝貝を、指でつつく蓮藤さん。
その時、一陣の潮風が吹きぬけた。
その強い香りが、私の思い出を呼び覚ましていく―――。
「雫。これ、やるよ。一番大きな貝殻だ」
宝貝を私に差し出すショウ君。
「え? いいの?」
「うん、僕らがずっと友達だっていう印だ」
嬉しくて涙ぐんだことを覚えている。
でも、そのことを知られたくなくて、すぐに「ありがとう」と言って、ごまかした。
「うちにある花瓶みたいに、ツルツルだな」
私の手に乗っている宝貝を、指で撫でるショウ君。
その屈託のない笑顔に見とれていたとき、強い潮風が私たちの間を吹きぬけていった。