シーサイド・ティアーズ~潮風は初恋を乗せて~
「風が強いですね、そろそろ帰りましょうか? 4時まで、もうあまり時間もありませんし。もしよろしければ、私がご友人宅までお送りいたしますよ」
「いいんですか?」
「ええ、もちろんです。では帰りましょう」
そして私が歩き出そうとしたその時―――。
岩場に足を取られて、転びそうになってしまった。
「危ない!」
ギュッと身体を抱きとめてくれた蓮藤さんのお陰で、転ばずに済んだ。
「すみません、とんだご無礼を」
慌てた様子で離れる蓮藤さん。
蓮藤さんがうろたえるなんて。
海に来てから、蓮藤さんの意外な一面をたくさん見られた気がする。
もちろんだけど……私もすごく動揺していた。
心臓が早鐘を打っている。
「いえいえ。ありがとうございます。気をつけますね」
「では、帰りましょう」
それから、別荘へと帰った私たちは、2階バルコニーからの眺望を楽しんだ。
さっき抱きとめてもらった一件以来、私はかなり蓮藤さんを意識してしまっていたけど。
蓮藤さんには、気にしているような素振りは全く見られなかった。
ちょっと残念。
………。
なんで、残念がってるんだろ、私。
その後、里子の家の場所を教え、近くまで車で送っていってもらうことにした。
思ったよりも近かったため、待ち合わせ時間よりも10分も早く、里子の家に到着。
「ご連絡いただければ、またお迎えにあがりますね」と言い残し、走り去っていく蓮藤さんの車。
そちらへ軽くお辞儀をしてから、私はインターホンを押した。
「いいんですか?」
「ええ、もちろんです。では帰りましょう」
そして私が歩き出そうとしたその時―――。
岩場に足を取られて、転びそうになってしまった。
「危ない!」
ギュッと身体を抱きとめてくれた蓮藤さんのお陰で、転ばずに済んだ。
「すみません、とんだご無礼を」
慌てた様子で離れる蓮藤さん。
蓮藤さんがうろたえるなんて。
海に来てから、蓮藤さんの意外な一面をたくさん見られた気がする。
もちろんだけど……私もすごく動揺していた。
心臓が早鐘を打っている。
「いえいえ。ありがとうございます。気をつけますね」
「では、帰りましょう」
それから、別荘へと帰った私たちは、2階バルコニーからの眺望を楽しんだ。
さっき抱きとめてもらった一件以来、私はかなり蓮藤さんを意識してしまっていたけど。
蓮藤さんには、気にしているような素振りは全く見られなかった。
ちょっと残念。
………。
なんで、残念がってるんだろ、私。
その後、里子の家の場所を教え、近くまで車で送っていってもらうことにした。
思ったよりも近かったため、待ち合わせ時間よりも10分も早く、里子の家に到着。
「ご連絡いただければ、またお迎えにあがりますね」と言い残し、走り去っていく蓮藤さんの車。
そちらへ軽くお辞儀をしてから、私はインターホンを押した。