シーサイド・ティアーズ~潮風は初恋を乗せて~
そこから先は、幸せすぎてあまり会話の内容を覚えていない。
趣味の話などで盛り上がったことは、はっきり覚えているけど。
活発でスポーツが得意なのに、意外と読書が趣味というところが、印象的だった。
私も読書は大好きなので、趣味も合うし。
また、意外にも同い年だということも分かった。
確かに、こうしておしゃべりしていると、同年代だという感じもするけれど、普段のお仕事中は、年上っぽさもあったから、少し意外。
同い年ってことは、「まさかショウ君なの?」っていう疑問は常に浮かんでいたけれど。
そこのところは、結局聞けずじまいだった。
もっとはっきりした確証でもないと、聞けないよ……。
同年代で「ショウ」が付く名前の男子なんて、沢山いると思うし。
それから、桜ヶ丘さんについても少しだけ話してもらえた。
少し話を聞くだけでも、翔吾君がいかに桜ヶ丘さんを信頼しているのかが伺え、「こういう信頼関係って素敵だなぁ」と思う私。
その他、映画やドラマについても、いくらか話をした。
翔吾君とおしゃべりしていると、時間を忘れるほどのめり込む感じだ。
翔吾君は、何だかいつもよりも饒舌に感じられた。
これが素なのかも。
不意に翔吾君が言った。
「もうこんな時間か。悪いな、俺には幾つか仕事がまだ残っている。会長から色々と指令を受けているからな。また明日、いっぱいしゃべろう」
いつしか11時を回っていたようだ。
「長い時間、ごめんね」
「そういうことで謝るのも、今後は禁止だ。俺たちは付き合ってるんだから。もし本当に『今、時間ないな』ってほど忙しいのなら、俺は気兼ねなく言うタイプだから、覚えておいてくれ。俺はそういう人間だから、そこんとこは理解しておけよ」
「うん、分かった」
「ああ、そうそう。他の人に見られる可能性がある場所では、常に今まで通り接してくれよ。そうでないと、お互い困ったことになるからな」
そこは大事なポイントだった。
もし、他の人にバレたら……。
考えたくもない。
「うん、気をつけるよ。今日もありがとう」
「こちらこそ、ありがとな。おやすみ、雫」
そう言って、またほっぺにキスしてくれる翔吾君。
くらくらっとなりつつも、どうにか耐えた私は「おやすみ、翔吾君」と言葉を返す。
そして、名残惜しいけれど、ドアへと向かった。
翔吾君はドア前までついてきてくれて、そのことでも深く感激した私。
こういうさりげない優しさは、秘書さんの仮面をかぶっているときと同じだった。
そのことがたまらなく嬉しい。
私は軽く手を振ると、寝る前の身支度をするため、階下へと向かった。
趣味の話などで盛り上がったことは、はっきり覚えているけど。
活発でスポーツが得意なのに、意外と読書が趣味というところが、印象的だった。
私も読書は大好きなので、趣味も合うし。
また、意外にも同い年だということも分かった。
確かに、こうしておしゃべりしていると、同年代だという感じもするけれど、普段のお仕事中は、年上っぽさもあったから、少し意外。
同い年ってことは、「まさかショウ君なの?」っていう疑問は常に浮かんでいたけれど。
そこのところは、結局聞けずじまいだった。
もっとはっきりした確証でもないと、聞けないよ……。
同年代で「ショウ」が付く名前の男子なんて、沢山いると思うし。
それから、桜ヶ丘さんについても少しだけ話してもらえた。
少し話を聞くだけでも、翔吾君がいかに桜ヶ丘さんを信頼しているのかが伺え、「こういう信頼関係って素敵だなぁ」と思う私。
その他、映画やドラマについても、いくらか話をした。
翔吾君とおしゃべりしていると、時間を忘れるほどのめり込む感じだ。
翔吾君は、何だかいつもよりも饒舌に感じられた。
これが素なのかも。
不意に翔吾君が言った。
「もうこんな時間か。悪いな、俺には幾つか仕事がまだ残っている。会長から色々と指令を受けているからな。また明日、いっぱいしゃべろう」
いつしか11時を回っていたようだ。
「長い時間、ごめんね」
「そういうことで謝るのも、今後は禁止だ。俺たちは付き合ってるんだから。もし本当に『今、時間ないな』ってほど忙しいのなら、俺は気兼ねなく言うタイプだから、覚えておいてくれ。俺はそういう人間だから、そこんとこは理解しておけよ」
「うん、分かった」
「ああ、そうそう。他の人に見られる可能性がある場所では、常に今まで通り接してくれよ。そうでないと、お互い困ったことになるからな」
そこは大事なポイントだった。
もし、他の人にバレたら……。
考えたくもない。
「うん、気をつけるよ。今日もありがとう」
「こちらこそ、ありがとな。おやすみ、雫」
そう言って、またほっぺにキスしてくれる翔吾君。
くらくらっとなりつつも、どうにか耐えた私は「おやすみ、翔吾君」と言葉を返す。
そして、名残惜しいけれど、ドアへと向かった。
翔吾君はドア前までついてきてくれて、そのことでも深く感激した私。
こういうさりげない優しさは、秘書さんの仮面をかぶっているときと同じだった。
そのことがたまらなく嬉しい。
私は軽く手を振ると、寝る前の身支度をするため、階下へと向かった。