シーサイド・ティアーズ~潮風は初恋を乗せて~
「ここ、いいところだよね。教えてくれて、本当に嬉しい」
しばらく抱き合ったあと、二人並んで腰掛けながら、私が言った。
「だろ? また来よう。俺たちの泳力なら、いつでも来られるはずだからな」
楽しげに、右腕の力こぶを叩いて翔吾君は言う。
「他の人に話すとダメだぞ。俺たちだけの秘密な」「
「うん。もちろん、分かってるよ」
「何せ、この奥には宝物があるらしいからな」
「え?!」
確か……そんなこと、ショウ君も言ってた気がする。
海賊の宝、だったっけ。
「こないだ奥で見つけたんだよ。ついてこい」
そう言って立ち上がり、奥のほうへ歩みを進める翔吾君。
好奇心で胸を高鳴らせながら、私はついていった。
「ほら、これ」
翔吾君が指差す先には……。
金色にキラキラ輝くブレスレットみたいなものが落ちていた。
「おっと、ワナかもしれないから、迂闊に触るなよ」
しゃがみこもうとする私を、翔吾君が制止した。
「え? 何かワナがあるの?」
「あくまでも想像だけどな。ありがちだろ、こういうところに仕掛けられた海賊のワナ」
翔吾君も海賊の話をしている。
何か根拠があるのだろうか。
それにしても、こんな小さなブレスレットに、何らかのワナが仕掛けられているようには到底思えないんだけど。
「ワナのこと、信用してないな。まぁ、いい。だけど、こんなところにキラキラ光る金色のモノが落ちてるって、実に怪しいのは認めるだろ? この先に、海賊のお宝がありそうな気がするよな?」
「ま、まぁ、可能性はあるかも。で、翔吾君は調べてないの?」
「いや、調べたけど、今のところ見つかってないだけだ」
急に歯切れが悪くなる翔吾君。
やっぱり、宝物なんて、ないんじゃ?
でも、翔吾君がここまで信じ込んでいるのに、その夢を否定するようなことはしたくなかった。
なので、「いつか二人で見つけようね」と言っておくことに。
翔吾君は嬉しそうに、「おう、そうだな」と答えた。
しばらく抱き合ったあと、二人並んで腰掛けながら、私が言った。
「だろ? また来よう。俺たちの泳力なら、いつでも来られるはずだからな」
楽しげに、右腕の力こぶを叩いて翔吾君は言う。
「他の人に話すとダメだぞ。俺たちだけの秘密な」「
「うん。もちろん、分かってるよ」
「何せ、この奥には宝物があるらしいからな」
「え?!」
確か……そんなこと、ショウ君も言ってた気がする。
海賊の宝、だったっけ。
「こないだ奥で見つけたんだよ。ついてこい」
そう言って立ち上がり、奥のほうへ歩みを進める翔吾君。
好奇心で胸を高鳴らせながら、私はついていった。
「ほら、これ」
翔吾君が指差す先には……。
金色にキラキラ輝くブレスレットみたいなものが落ちていた。
「おっと、ワナかもしれないから、迂闊に触るなよ」
しゃがみこもうとする私を、翔吾君が制止した。
「え? 何かワナがあるの?」
「あくまでも想像だけどな。ありがちだろ、こういうところに仕掛けられた海賊のワナ」
翔吾君も海賊の話をしている。
何か根拠があるのだろうか。
それにしても、こんな小さなブレスレットに、何らかのワナが仕掛けられているようには到底思えないんだけど。
「ワナのこと、信用してないな。まぁ、いい。だけど、こんなところにキラキラ光る金色のモノが落ちてるって、実に怪しいのは認めるだろ? この先に、海賊のお宝がありそうな気がするよな?」
「ま、まぁ、可能性はあるかも。で、翔吾君は調べてないの?」
「いや、調べたけど、今のところ見つかってないだけだ」
急に歯切れが悪くなる翔吾君。
やっぱり、宝物なんて、ないんじゃ?
でも、翔吾君がここまで信じ込んでいるのに、その夢を否定するようなことはしたくなかった。
なので、「いつか二人で見つけようね」と言っておくことに。
翔吾君は嬉しそうに、「おう、そうだな」と答えた。