シーサイド・ティアーズ~潮風は初恋を乗せて~
出店の並ぶ通りに到着した私たち。
そこには、そこそこの人並みが列を成していた。
なかなか、賑わっているみたい。
いつしか、こころもち辺りが暗くなってきた気がする。
セミの声はまだ激しいけれど。
そういえば、オサム君や里子も来てるんだったっけ。
これだけ賑わっていて、出店も多いんだから、顔を合わすかどうかは分からないけど。
「あ!」
突然、翔吾君が驚いたような声をあげた。
「どうしたの?」
「手袋を忘れてきた……。しまった……」
「別に要らないんじゃない? 気にしなくても」
「そうは言っても、勤務中だってば。会長の方針で、決まってるのに」
「じゃあ、内緒にしておくよ。私しか見てないんだから、それでいいでしょ。桜ヶ丘さんにバレなければ」
「そうだなぁ。そうお願いするよ」
いつになく弱々しい声の翔吾君。
翔吾君にも、ちょっとおっちょこちょいな一面があるのかな、と思わせた出来事だった。
「とにかく、気を取り直して……。何でも買ってやるぞ。見て回ろうぜ」
すぐに、いつもの調子に戻った翔吾君に、私はホッと一安心。
やっぱり、翔吾君はこうでないと。
もしくは、普段、秘書さんの仮面をかぶっている姿でもいいけど。
ああいう礼儀正しい翔吾君も、けっこう好きなんだ。
そして、今みたいな様子とのギャップもかなり好き。
「じゃあ、まず……。あそこにある、わたあめが欲しいな」
遠慮なく言う私。
「よし、行こう」
私たちはすぐに、その屋台へと向かった。
そこには、そこそこの人並みが列を成していた。
なかなか、賑わっているみたい。
いつしか、こころもち辺りが暗くなってきた気がする。
セミの声はまだ激しいけれど。
そういえば、オサム君や里子も来てるんだったっけ。
これだけ賑わっていて、出店も多いんだから、顔を合わすかどうかは分からないけど。
「あ!」
突然、翔吾君が驚いたような声をあげた。
「どうしたの?」
「手袋を忘れてきた……。しまった……」
「別に要らないんじゃない? 気にしなくても」
「そうは言っても、勤務中だってば。会長の方針で、決まってるのに」
「じゃあ、内緒にしておくよ。私しか見てないんだから、それでいいでしょ。桜ヶ丘さんにバレなければ」
「そうだなぁ。そうお願いするよ」
いつになく弱々しい声の翔吾君。
翔吾君にも、ちょっとおっちょこちょいな一面があるのかな、と思わせた出来事だった。
「とにかく、気を取り直して……。何でも買ってやるぞ。見て回ろうぜ」
すぐに、いつもの調子に戻った翔吾君に、私はホッと一安心。
やっぱり、翔吾君はこうでないと。
もしくは、普段、秘書さんの仮面をかぶっている姿でもいいけど。
ああいう礼儀正しい翔吾君も、けっこう好きなんだ。
そして、今みたいな様子とのギャップもかなり好き。
「じゃあ、まず……。あそこにある、わたあめが欲しいな」
遠慮なく言う私。
「よし、行こう」
私たちはすぐに、その屋台へと向かった。