シーサイド・ティアーズ~潮風は初恋を乗せて~

気持ちを再確認

 部屋に戻って30分以上経ったけど、ショウ君は帰ってこない。
 恐らく、烏丸さんから連絡は受けているはずなのに。
 どうしたんだろう……。
 私は心配で心配で、いてもたってもいられない気分だ。
 何か事故とかに遭ってないよね……。
 もし、ショウ君の身に何かあったら、私は生きていけない。
 勇気を出して、私はショウ君に電話をかけた。
 ……なかなか出ないショウ君。
 不安が募る。
 でも……7コール目くらいで、「もしもし」というショウ君の声が聞こえた。
 よかった……!
 でも……何だか、声色が暗い。
 やっぱり、気にしてるんだよね……。
「あ、私……。雫。ショウ君、どこにいるの?」
「ああ、別荘のそばの浜辺」
「え? じゃ、じゃあ、今すぐ行くね! 待ってて!」
「あ、おい! 待てって!」
 そのまま話も聞かずに電話を切り、階下へ向かった私。
 こっそり音を立てずに、玄関を出る。
 幸い、誰にも気づかれることなく、別荘を出ることができた。
 もし、誰かに気づかれていたら、きっと止められただろうから、ホッと一安心。
 すぐさま、一目散に浜辺を目指す。
 駆け足で。
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