白く紅い
白と紅
あたしは今、何年か前に捨てられた場所に来ている。
人通りが少なくて雑草が生い茂っているこの場所。
今は、白く冷たく汚い雪が降っている。
白い靄が口からはきでる。
あの時から初めて此処にきた。
もうここには来ないでおこう。
そう思って道路に一歩脚を踏み出した。
二つの白い光が近づいてくる。
体が金縛りにあった様に動かない。
そのまま二つの光はあたしにぶち当たる。
体は、宙にまう。
骨が折れる音が耳に大きく響く。
今は、赤く温かく汚い雨が降っている。
赤い血が口から吐きでる。
「なんだ。動物かよ。焦った〜。
人を跳ねたら重罪だからな。」
そんな声が聞こえながらあたしの意識は遠のいて行った。