片恋ひらり。
+優のキモチ(出会い)
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一年前―春。
今日は中学の入学式だった。
体育館入場。拍手の音が少し気持ちよかった。
ドアの入り口を通過する時――。
予想外のことが起きた。
「きゃぁっぁぁぁぁぁ~」
何事!?俺はびっくりして声の方に体を向けた。
なんと隣で歩いてる女子だった。
入り口のわずか数ミリの段差で転んだらしい・・・ありえねぇ。
まわりのやつらは大爆笑中。助けねぇのかよ。
「おい大丈夫か・・・」はじめてみる子。胸が高鳴ったのは、きっと知らない子だからだと言い聞かせた。
「あっありが・・・」体支えてやったのに。
遠くからこの女子の顔めがけてトンボが勢いよく突っ込んできた。
「きっぃぃぃぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁー!!!!」
ばったーん!今度は倒れた。
おいっ!?なんだよコイツは・・・。
周りでは涙を出しながら笑ってたり、腹を抱えてるやつ。
まさかこんなことになるとは思わなかった。
せっかくの入学式だし、目が覚めるかもしれないから・・と担任は気絶したその女子をそのまま椅子に座らせ、入学式を再開した。
けどコイツは一向に起きなかった。それどころかうなされていた。