with~始まりの音


『さて、本題に入ろう。
私が君達をここに呼んだのはー』

呼んだのは…?

『我ら高月芸能事務所から新しいアイドルを生み出したいからだ!』

「ア、アイドル?」

一気に静まり返った会場に、
私の声が響き渡った

『そうだ。我ら高月芸能事務所は今まで何人もの俳優・女優・声優を世に送り出してきた。
しかし、恥ずかしながら
世間に名を知られるようになった者は今1人として出てきていない。
そこで、今回新しくアイドルグループを作り、有名になるまで我らの力を尽くそうと考えたのだ!』

シーンとした会場は音1つしない

『来週の土曜日のこの時間、この場所でオーディションを行う。参加できるのは今この会場にいる君達のみ。オーディション内容は自分の好きな歌を1つ歌う、それだけだ。』

「ふざけないでよ!」

静かな会場に1人の女の子の声が響いた

「そんな実績のない事務所で
私達がアイドルになってどうなるっていうの!?」

「そうよ!」

違う子も立ち上がってそれに続いた

「ふるいにかけたって言うけど、いきなり連れてこられて何?アイドルになれ?冗談じゃないわ!私達の意思はないわけ?」

2人に続くように何人かの子も立ち上がって叫びだした

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