with~始まりの音


やめるなら今しかない
他の子達と一緒になってあの扉をくぐる
ただそれだけで辞退することができる

だってアイドルなんて人気が勝負じゃない
人気の無いアイドルはただの女の子
アイドルを語ることも出来ずに終わってしまう

私にアイドルをやる資格なんて…ない

私は手をきつく握った

その時だった

《京子がアイドルだったら一番に応援するのになぁ…》

ミホ?

『さて、オーディションを受ける者は前に来てもらおうか』

いつの間にか会場は静まり返っていて
残った女の子達は数えるほどになっていた

私の頭の中にはあの時のミホの言葉が響いている

ミホに…背中を押された気がした


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