もう一度君の笑顔を
始めは、そんなん嘘だと思いたかった。



でも、それからというもの彼と食事に行ったと私に報告してくる子が後を絶たなくなった。



その真相を彼に問いただす勇気も、それでも私が一番だという自信も無い私はどんどん不安になって行った。



週末には彼が他の人と会っているのではと不安にかられ、月曜日の朝はそんな話を聞きたくなくて会社に行くのが嫌になった。



それでも彼に会う時間は幸せで、そんなジェットコースターのように上下する気持ちに耐えられなくなった私は彼と別れた。


「友紀?」


彼との事を思い出して、胸が痛い私は、それが顔に出ていたようで、梨花が心配そうに見つめて来る。


「ねぇ・・・あんた、ホントにこれで良かったの?」


「え?」


そう梨花に問われ彼女を見ると、彼女は真剣な面持ちで言った。



「友紀はさ、中野君が他の事デートしたのは自分に魅力がないせいだと思ってるみたいだけど・・・」


「うん。」



「それは違うと思うの。」


「え?」


意外な言葉に驚く私に、梨花はさらに続けた。



「中野君に直接そう言われたわけじゃないんでしょ?」



「うん、でもそれしか考えられないし・・・それにもう終わった事だし。」


そう言う私に梨花は


「ホントに終わった事なの?」


「終わった事だよ」


断言する私に、梨花は尋ねた


「じゃあ、次の相手を探せる?」


「・・・・それは、まだ別れたばっかりだし。」


「友紀、つらい思いをしたと思うよ。

 もう考えたくないのも分かる。でも、それがはっきりしない限り、次には進めないんじゃない?」

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