もう一度君の笑顔を
身動きの取れない、俺だったが、周りで変化はあった。



それは、前とは比べ物にならないくらい異性からの誘いを受けるようなったとこだ。



だが、そんな気が1mmも怒らない俺は仕事を理由にその誘いをすべて断っていた。



まぁ、それはそんなに重要ではない。




問題はもう一つだ。



営業のおっさん達が俺をすごい形相で睨んでくるってことだ。



初めは気のせいかとも思ったが、段々と殺意まで帯びて来たその視線に俺は居心地の悪さを感じていた。


彼女にふられ、根も葉もない噂に心が痛み、そして、おっさんに睨まれる。


頭がおかしくなりそうだった。



そんな俺は、その現実から逃げる様に仕事をしたが、やっぱりそれも上手くはいかない。



この状況にどうしたものかと思っていると、上司に呼ばれた。


「中野、ちょっと来い!」



そう俺を呼んだのは普段から何かと面倒見の良い高野課長だった。



何の用だ?



そう思い付いて行くと、小さな会議室に通された。


「どうしたんですか?」


そう尋ねると、


「まぁ、座れ。」


と促された。


わけも分からずとりあえず座ると、課長も俺の向かい側に座った。





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