もう一度君の笑顔を
数秒見つめ合っただろうか、野崎さんはフッと笑いながら私から目を離した。
「ごめん。怖がらせてしまったようだ。」
「いえ、大丈夫です。」
「いや、俺が悪かった。
友紀が上の空の原因を林さんに聞き出すのはフェアじゃないね。
林さんなら知ってかもしれないと思って、つい問いただそうとしてしまった。」
「ほんと、大丈夫ですから、お気になさらないでください。」
「友紀には内緒にしてくれるかな?
林さんを怖がらせてた事がバレたら怒られてしまう。」
そう言って野崎さんはいたずらっ子の様に笑った。
その笑顔が可愛いと思ってしまった。
自分より20歳も年下の小娘に可愛いなんて思われるなんて心外だろうか・・・
思わず視線をそらした。
「はい、もちろんです。」
自分で思ったより小さな声しか出なかった。
「ありがとう。」
野崎さんはそう言って、友紀にするように頭を撫でた。
顔が熱くなるのがわかる。
「あ、ごめん。
つい、いつもの癖で・・・」
「だ、大丈夫です。」
自分でも驚くほど顔が熱いのがわかる。
ちょっと気まずい雰囲気が流れた。
「あの、私、買い物があるので・・・
ここで失礼します。」
「え?あ・・・そっかじゃあ、またね?」
「はい、さようなら。」
そう言って野崎さんから離れた。
本当は買い物なんてなかった。
まだ自分でも顔が赤いのがわかる。
アラサーの女が頭撫でられたくらいで何やってんだって感じだが、アラサーだからこそ恥ずかしいのかもしれない。
その前に、私は頭を撫でられるのが嫌いなはずだった。
馬鹿にされてるようで、子ども扱いされてるようで、プライドが許さなかったのだ。
それなのに、野崎さんに頭を撫でられても嫌じゃなかった。
それはあの人が、私よりもずっとずっと大人だから、私のプライドを刺激しないのか、それとも・・・
芽生え始めた感情が、これ以上大きくならないように言い聞かせる。
あの人にとって私は、大事な姪の友人でしかない。
あの人が、私に優しいのは、友紀に対する優しさの延長でしかない。
分かっているのに・・・
分かりきっているのに・・・
自分でも戸惑うほど胸が苦しい・・・
「ごめん。怖がらせてしまったようだ。」
「いえ、大丈夫です。」
「いや、俺が悪かった。
友紀が上の空の原因を林さんに聞き出すのはフェアじゃないね。
林さんなら知ってかもしれないと思って、つい問いただそうとしてしまった。」
「ほんと、大丈夫ですから、お気になさらないでください。」
「友紀には内緒にしてくれるかな?
林さんを怖がらせてた事がバレたら怒られてしまう。」
そう言って野崎さんはいたずらっ子の様に笑った。
その笑顔が可愛いと思ってしまった。
自分より20歳も年下の小娘に可愛いなんて思われるなんて心外だろうか・・・
思わず視線をそらした。
「はい、もちろんです。」
自分で思ったより小さな声しか出なかった。
「ありがとう。」
野崎さんはそう言って、友紀にするように頭を撫でた。
顔が熱くなるのがわかる。
「あ、ごめん。
つい、いつもの癖で・・・」
「だ、大丈夫です。」
自分でも驚くほど顔が熱いのがわかる。
ちょっと気まずい雰囲気が流れた。
「あの、私、買い物があるので・・・
ここで失礼します。」
「え?あ・・・そっかじゃあ、またね?」
「はい、さようなら。」
そう言って野崎さんから離れた。
本当は買い物なんてなかった。
まだ自分でも顔が赤いのがわかる。
アラサーの女が頭撫でられたくらいで何やってんだって感じだが、アラサーだからこそ恥ずかしいのかもしれない。
その前に、私は頭を撫でられるのが嫌いなはずだった。
馬鹿にされてるようで、子ども扱いされてるようで、プライドが許さなかったのだ。
それなのに、野崎さんに頭を撫でられても嫌じゃなかった。
それはあの人が、私よりもずっとずっと大人だから、私のプライドを刺激しないのか、それとも・・・
芽生え始めた感情が、これ以上大きくならないように言い聞かせる。
あの人にとって私は、大事な姪の友人でしかない。
あの人が、私に優しいのは、友紀に対する優しさの延長でしかない。
分かっているのに・・・
分かりきっているのに・・・
自分でも戸惑うほど胸が苦しい・・・