もう一度君の笑顔を

光輝side

去って行く彼女の後ろ姿をじっと見つめた。


当然ながら彼女は振り返ったりしない。


彼女が扉をくぐって、外に出る。


扉のガラスの向こうに見える彼女が手を顔に持って行くのが見える。


泣いたのか・・・


そう思って胸がギュッと締め付けらた。


とてつもない後悔と喪失感に襲われる。



なぁ、今までもそうやって泣いたのか？


どうして、俺の前で泣かなかった？


そしたら俺は・・・・。


そんなことを考えてしまう自分が嫌になる。


傷付けていることなど、分かっていたのに。



そして、それをどこかで喜んでいたのに。


その結果を突きつけられた今、俺の中には後悔しか無い。



泣きそうになるのを必死に堪えた。



俺には泣く権利も無い。


どうしてこうなった？


どこで間違えた？


どんなに考えても答えは無い。



もう答えに意味も無い。


だって終わってしまったのだから。