想い人



―――コンコン


「失礼します。」



私は言われたとうり数学準備室に集めたノートを持っていった。

あれ??

誰もいない??

数学準備室は初めて入った。

私たちの教室がある校舎から一番遠い校舎の3階にある。

数学についての本がたくさんあり、机が二つほど、そして大きなソファーがある。

窓からは真っ赤な夕焼けが見える。


――ガタッ




「!?」



物音がした。

そしてどこからか寝息が聞こえる。

ソファー……?

ソファーを覗いてみると



「原田大樹…」



寝息はどうやら原田大樹のものだった。

寝てる。

寝てる。

ソファーの前に膝をおろして少し原田大樹を揺すってみた。



「あの…」



起きない。

せっかく集めてきたのに。

なんなのよ。

まぁいいや。机において帰ろう。

その方が……



「キャッ?!!!」



な、なに?!!!




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