想い人
「お、起きてたの?!」
「あぁ。」
起きてたならどいてよっっ!!
心の中で大きく呟いた。
「何の用だ?」
「あなたが集めろと言ったノート持ってきたんです。」
「ふーん。」
いや、あの、この状態おかしくないですか?
とにかくどけて欲しい。
重いし、何より、すごく…
ドキドキしてる。
いや、ちがう!!
こんな経験ないからドキドキしてるだけ!!
そう、そうだよ!!
「耳まで真っ赤だぞ」
そう言ってニヤリと笑う
「ドキドキなんかしてません!!!」
「は?誰もそんなこと聞いてないんだけど。」
なんなのコイツ!!
もうありえない!!!
「と、とにかく早くどいてよ!!」
「お前は教師にタメ口使うわけ?」
「どいて…ください!!!」
「やだ。」
そう言ってパタリと私の上にまた倒れ込む。
「なっ、変態!!!」
「お前、あったかい。胸ねぇけど。」
はぁぁあ?!!!
何こいつ?!ありえない。
ただの変態教師じゃない!!!!!
するとまた動かなくなった。
うそ、寝たの?
ほんとに、ついてない。
でもどうしてだろう。
無理やり引き離すことなんてできない。
ミルクティー色のサラサラの髪を触りながら目を閉じた。