想い人



「―――え、とゆうことで、ここで新入生のクラスを受け持つ担任の先生方を御紹介いたします。」



長ったらしい入学式も後半に近付いてきた。

担任紹介なんかいいから早く帰りたいという私の気持ちと裏腹に紹介が始まる。



「え、あの先生すごくカッコイイ!」


「やばーいイケメン!!」


「きゃーーータイプ!!」



どこからかそんな歓声が聞こえてくる。

うつむいていた顔をあげてみると数名、スーツを着た人達がたっていた。

あれが私たちの学年の先生…



「っっっ?!!!」


めっ、めっ、目が合った。

その中でも、異彩を放っている一人の“先生”と目が合った。



「目が合ったわっ!!」

「私も私もっっ!!!」


私の周りのきゃわきゃわした女の子たちも同じことを思っているようだ。

な、なんだ。びっくりした。別に目が合ったってわけじゃ無さそう。

でもものすごく美形。

顔はすごく整っていて、身長も高く手も足もスラッと黒のスーツから伸びている。



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