想い人




「まぁなんでもいいや。でも金輪際バカみたいな発言はするなよ。以上。」



そう言って静まり返った教室を彼は出て行った。




「なっなんなんだよ?!」


「なにアイツ〜最低!!」


「顔だけじゃない!!」


「ありえねぇ。クズとか。」




原田大樹の出て行った教室からはそんな言葉が聞こえる。

クズ?バカ?

それが教師の言うことなの??

驚きすぎて言葉も出ない。



「ま、まぁまぁみんな!さっきのはふざけた俺が悪いから仕方ねぇよ!」


「たしかに!!亮太が悪いねあれはっ!」


「お前が言うなっ!!」




“亮太”っていう人と親しそうな女の子の会話に教室中で笑いが起こる。



「みんな!おれは草部亮太!よろしくなっ」


「私は亮太の幼なじみ権保護者の山下かほです!よろしくね。」


「やめろよ保護者とかっっ!!」



また笑いが起こる。

山下さんと草部くんか。

二人とも面白いなぁ。



それに続いて順番に自己紹介が始まった。





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