Change!俺とアイツの怒涛の9ヶ月日記
「ここから一気に向こうまで直線を引くんだ。ほら、やってみろ」


「う、うん」


俺に言われて、ライン引きを始める花音。


「おいっ、俺は真っ直ぐって言ったんだぞ。なんでこうもグネグネなんだよ!」


「お、おかしいな。真っ直ぐに引いてるつもりなんだけど」


はぁ…。


不器用だとは思っていたけど、ここまでひどいとは…。


「マネージャーさん、どうしちゃったんスか?

今までずっと何でもそつなく仕事をこなしていたのに…」


近くを歩いていた一年の部員が言った。


「花音は夏に事故に遭ったからな。そのせいで時々記憶が飛んだり、おかしくなる時があるんだよ」


かなり無理があるけど、それ以外に言い訳が見つからない。


「へぇ、そうなんですか。-で、立花先輩がフォローをしていると」


「海司って器用で何でも出来るのよ。それで私が手伝いを頼んだの。ご近所さんのよしみで」


「そうだったんですねー」


そんなことを三人で話していたその時だった。


「マネージャー!危ない!」


誰かの叫ぶ声がして、俺はハッと振り返った。
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