Change!俺とアイツの怒涛の9ヶ月日記
「確かに私は不器用なんだけどね…」


「ん?」


「でも…、一度引き受けたことを途中で投げ出すなんて、やっぱり良くないと思うの…」


「いや、それは俺が引き受けたことだから、お前に責任はないよ。

責められるとしたら俺なんだ。

花音は悪くない」


もし誰かが花音に何か言ってくるとしたら、俺が言い返してやるつもりだし。


「でも…、誰も私達が入れ替わっていたことなんて知らないのよ。

周りは、私がマネージャーを引き受けたと思っているわけで…」


「それはそうだけど、どうとでも言えるじゃん。

急に仕事がうまくこなせなくなったとか、なんとでも」


それは本当にそうなんだ。


ここまでひどければ、辞めることを承諾してもらえそうなモンだ。


「ねぇ、海司」


「ん?」


「私ね、こう言っちゃ何だけど。

これまでの人生で、何かを必死に頑張ったことってないの…」


「え…?」


「何かを成し遂げたこともなければ、何か形を残したことも一度もないの…」


「花音……」
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