Change!俺とアイツの怒涛の9ヶ月日記
「海司と入れ替わってみて思ったの。

海司は、何に対しても真剣に取り組むよね。

こうして洗濯物を干している時でさえ、シワを綺麗に伸ばして丁寧に仕事をしてる。

授業中だって、ちゃんと集中して聞いて、先生の言葉もちゃんとメモに取ってるし」


「そ、それは…」


俺の性格というか、完璧主義なだけだから…。


「私ね、海司が何でも出来るのは、生まれつきのものだと思ってたの。

遺伝子に恵まれていて、才能があるからなんだって…。

でもね、そうじゃなかった。

私が今こうして、痩せてスタイルが良くなっているのも、海司が必死に努力してくれたからだよね。

海司はいつだって、人より頑張ってエネルギーを出しているのよ。

だから、色んなことが出来るのよ……」


俺が努力…?


そんなつもり全然ないけど。


そうなんだろうか。


「だからね。私も不器用だからとか勉強が出来ないからとか、片付けが苦手だからっていうのを言い訳にしないで、ちゃんと努力してみたいの。

もちろん人並みに出来るようになるには、かなり時間がかかってしまうと思う。

だけどあきらめずに続けたら、私にだって出来ることが増えるかもしれない。

それってすごく嬉しいことだと思うんだ」


そう言って花音は、にっこりとほほ笑んだ。
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