Change!俺とアイツの怒涛の9ヶ月日記




「ごめん、美倉さん。待った?」


「ううん、ついさっき来たところ」


海司にメイクをしてもらった私は、午後から神社に足を運んでいた。


佐野君とは鳥居の前で待ち合わせをしていたのだけど。


私が着いて5分も経たないうちに、佐野君がやって来た。


「さすがに人が多いねー」


「元旦だもんね。それじゃあ行こうか」


「うん」


こうして私と佐野君は、神社の境内をゆっくり並んで歩いた。


今日の佐野君は、黒のパンツを履いて上には私と同じくフード付きのパーカー。


デニムのジャケットを羽織っている。


佐野君は、私服姿もかっこいいんだなあ。


参道の脇には露店が沢山出ていて、美味しそうな匂いを漂わせていた。


参拝を終え、おみくじを引いた私と佐野君は、お腹も空いたし、たこ焼きを買って食べた。


佐野君と二人きりなんて緊張するかと思ったけど、海司のメイクのおかげなのか自然に話せることが出来ていた。


「今日の美倉さん、すごくかわいい」


「え…?」


「私服姿って初めて見た気がするけど、センスいいんだね」


「そ、そうかな?」


これは海司のチョイスなんだけどね。


海司の言う通りにしておいてよかったー。


そんなことを思っていた時。


「花音?」


背後で聞き慣れた声がした。
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