Change!俺とアイツの怒涛の9ヶ月日記
遊園地と言っても、ここは絶叫系の乗り物などはなく、公園がメインのようなところだ。


「あの列車にでも乗る?」


そう言って唯が指差すのは、赤色のボディが印象的な、なんとも可愛らしい列車。


とりあえず私達は、それに乗ることにした。


私と恵介君が隣に乗って、唯と海司が向かいに座った。


「花音ちゃん、今日の格好すっごく暖かそうだね」


恵介君が言った。


「あーうん。前回初詣ですごく寒い思いをしたから。

今日はしっかり防寒して来たの」


ニット帽も被ったし、マフラーだってしてきた。


パンツスタイルにモコモコのブーツ。


これなら、どんな乗り物だってへっちゃらだ。


それに比べて……。


「わ~、走り出すと風が冷たーい」


唯は膝上のパンツスタイルだ。


ロングブーツだけど、むき出しの足は寒そう。


コートも短めだし、大丈夫なのかな?


「佐久間。お前、寒くないか?」


海司が、唯に尋ねた。


「あー、うん。なんとか平気」


「ちょっと待ってろ」


そう言ったかと思うと、海司は自分の着ている暖かそうなモッズコートを脱いで。


唯の足にそっとかけた。
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