Change!俺とアイツの怒涛の9ヶ月日記
「クソーッ、あっちのチームのディフェンスは固いなあ」


「あそこを崩すのは、なかなか大変だよな」


ほんと、まるで鉄壁。


どんなにこちらが攻めても、いとも簡単に弾いてしまう。


「佐野先輩も立花先輩も頑張ってるんスけどね」


その時だった。


相手チームの蹴ったボールが天高く飛んだ。


そのボールを追いかける相手チームの10番。


そこへ海司が走って行く。


ボールが落ちて来て、二人が同時にジャンプしたかと思ったら。


ゴンッという鈍い音がして。


ボールは相手チームの方へとポーンと飛んで行った。


だけど直後、二人は地面へバサッと倒れ込んでしまった。


「え……?なに?どうなったの?」


ボールは、海司がうまく返したように見えたけど。


「あぁ、もしかしたら頭同士をぶつけたのかもしれない」


「えぇっ!」


「よくあるんですよ。ヘディングで頭同士がぶつかることは」


「そうなの……?」


試合は一時中断になって、しばらくすると相手チームの選手がムクッと身体を起こした。


「相手チームの10番、フラついてますね。軽い脳震盪かも。もう試合には出られないかもしれませんね」


「えっ!

ってことは、海司も脳震盪になってるかもしれないってこと?」


「その可能性はありますね」


「もしそうなら私、すぐに病院に連れて行くわ」


今日は土曜日だから、病院は開いているはずだしね。
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