Change!俺とアイツの怒涛の9ヶ月日記
ピンポーンとチャイムを鳴らす。


ガチャンと扉が開いた直後、俺の母さんが顔を出した。


「あら。花音ちゃん、いらっしゃい」


「こんにちは」


次の日の土曜日、俺は自分の家を訪ねていた。


「花音ちゃん、ありがとう。

毎日、海司のところにお見舞いに行ってくれてるんでしょう?

看護師さんに聞いたわ」


母さんが優しい瞳でにっこり笑う。


だって、俺の身体が心配だから。


俺の身体は一般病棟に移ったから、普通のヤツでも見舞いに行けるようになった。


俺はずっと眠ったまま、まだ起きない。


一体いつまでこんな状態が続くのだろう…。


「-で今日はどうしたの?」


「あのー、美空さんいますか?」


「いるわよ。ちょっと待ってね。美空ー。」


「はーい」


パタパタと出てくる姉貴。


今日も美人で品のいい女子大生を気取ってやがんな。


「あら?花音ちゃん。珍しいね。どうしたの?」


「あの…。実はちょっとご相談があって」


「なあに?」


「私にメイクを教えてもらえませんか?」


俺の言葉に、姉貴の顔がパーッと明るくなる。


「ついに花音ちゃん目覚めたの?

いいわよ。さぁ、上がって」


俺は自宅に通され、姉貴の部屋に入った。

< 36 / 259 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop