ミントグリーン~糖度0の初恋~





「「お邪魔しました」」


また踊子さんと揃って頭を下げる。


私たちがお店の中にいたのは5分足らず。
パーティーに夢中な新婚さんとその仲間たちは1人も私たちに気が付かなかった。


シンタくんがドアの外に出てきて私たちを見送ってくれる。


店内では、司会者らしい男性の
「本日の~メ~ンイベ~ント!!」
という掛け声と共にビンゴゲームが始まっていた。



「こーゆー会では、メインイベントは大抵ビンゴゲームなんだよ」



踊子さんが教えてくれた。




「せっかく来てくれたのにごめんね」


「いえいえ。おかげでいいものが見れたし。
ね、千波ちゃん?」


「うん。私、花嫁さんを直に見たの初めて。
すっごい綺麗だった!」


シンタくんは興奮覚めやらない私たちを見て微笑んでいる。




「じゃ、行こっか?」


踊子さんに促されて店の外階段を下りようとしたら



「千波」



シンタくんに呼び止められた。

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