ミントグリーン~糖度0の初恋~
「宮下にさ…、事情は詳しく話せないけど日吉が元気なくしてるから励ましに行ってくれば?って言われてさ。
正直、会うのが怖いような気もしたんだ。
でも、日吉が元気ないとかイヤだと思ったから思い切って会いに来た」
カイチくんが頭を掻きながら照れ臭そうに話す。
「日吉、何があったのかは聞かなくても大体分かるけど。
俺、今日ちゃんと日吉と話せて今度こそ吹っ切れたよ?
どんな結果でもきちんと相手に伝えきれたら吹っ切れるんだって分かった。
だから、日吉も伝えたい相手に全部伝えられるまで頑張りな?」
「ね?」と首を傾げるカイチくんに涙を堪えるのが大変だった。
「カイチくん、人が良すぎるよ。
いい人過ぎる…」
「それ、男にとって誉め言葉なのかなあ?」
苦笑いしながらカイチくんが駅に向かって歩き出した。
私もその後に続く。
「頑張れるよね?日吉」
振り向かないで言ったカイチくんの背中に私は大きく頷いた。