ミントグリーン~糖度0の初恋~
次に同じ姿勢で目覚めた私の目の前にあったのは真っ白で小さな背中だった。
部屋のカーテンが閉められ、蛍光灯が点いている。
あぁ……夜になっちゃったんだ。
シンタくんに代わって私の枕元で体育座りして自分で持ち込んだらしいファッション雑誌を読み耽る踊子さん。
そっと覗いてみたら真剣に読んでいるのは水着特集のページだった。
シンタくんみたいに驚かさないようにわざともぞもぞ音をたてて寝返りを打ってから声をかけた。
「……お姉さん、水着買うの?」
途端にバサッと雑誌を閉じて踊子さんは振り向いた。
「あ、千波ちゃん起きたんだ。調子はどうかな?」
立ち膝の姿勢で私の頬に手を伸ばす。
「うん……。たくさん寝たからずいぶん楽になったよ」
そう言いながら起き上がる私に手を貸してくれた踊子さんがそのまま私をぎゅーっと抱き締めてくれた。