ミントグリーン~糖度0の初恋~


「良かったー。大事にならなくて。
1人で怖かったでしょう?

でも、よく私に連絡してくれたよ。
偉かったよー」


子供にするみたいに背中を擦って、頭をよしよしとしてくれる。


それがものすごく安心できて、嬉しくて、踊子さんに抱きついた。



「本当にどうなっちゃうかと思った…。
シンタくんが来てくれなかったら高熱と暑い部屋とで干物になってたかも…」


「やめてよー。
千波ちゃんにはまだまだ新鮮なお刺身でいてもらわないと」



私をそっと引き剥がすと顔を覗き込むようにして、泣きそうな表情をみせる。



ホントに踊子さんっていい人だ…。




「ありがとう、お義姉さん。

でも……、お刺身じゃ死んじゃってるから。
私、もう少し泳いでたいな」



私たちは顔を見合わせてクスリと笑った。




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