ミントグリーン~糖度0の初恋~




【おかげさまで、すっかり良くなりました。


本当にありがとうございました。


明後日から実家に帰ります。


熱のせいでトマトリゾットの味が分からなかったので、帰ってきたらまた食べたいです。


こちらに帰ったらまた連絡しますね。




追伸……お持ち帰りの本は読み終わりましたか?】





話すのとは違って堅苦しくなってしまった文面を何度も見直したけれど、結局手直しせずそのまま送ってしまった。





私のために息を切らせて駆けつけてくれたシンタくん。


『好きだ』という気持ちがまた一回り大きくなった。


もっとゆっくりかと思っていたのに、シンタくんのそばに来れたら感情は急加速で膨らんでいくばかり。



だから今度会う時は、きちんと伝えようと思う。


私の気持ち。


シンタくんとどうなりたいと思っているのか。


もう『妹みたいなもん』ではいられないこと。


結果を恐れるのはもうやめる。


そう決めた今の私はとても清々しい。






その前に、シンタくんと約束した宿題をきちんとしよう。


手にしたままのスマホで実家に電話を架けた。


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