ミントグリーン~糖度0の初恋~




「あ、すみません。勝手なこと言って。久し振りに本当にいい店に出会えたんでつい…」


照れたように頭を掻く柿本さんに慌てて手を振って俺は笑顔を作る。


「いえ。そんなに言って頂けて嬉しいです。
人手がなくて昼営業は考えてなかったんですけど。

柿本さんはインテリア関係のお仕事なんですね?」


「分かりますか?」


「はい。お話の端々で」


俺がにっこり微笑んでみせると、柿本さんは照れ臭そうに頭に手をやって


「インテリアデザイナーです。まだアシスタントですけど」


と教えてくれた。



メイン通りのイタリアンレストランが改装することになって、そこのデザインを柿本さんの会社が任されたのだという。


その店は、オーナーが親父の同級生で最近はご無沙汰していたが子供の頃はしょっちゅう通っていた場所だった。


そして、俺が不義理をしているにも関わらずオーナーはここによく顔を出してくれていた。


そういえば、息子に代替わりするから改装するって言ってたっけ。




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