ミントグリーン~糖度0の初恋~






「うぃーっす」



店のドアが開く音と共に清海の声が響く。



「あっ、お兄ちゃんたち来た!」



途端に表情を明るいものに変えて千波が飛び出していった。



「あれ? 千波ちゃんもう来てたの?

それもエプロンとキャップつけちゃって」



「もうずっと前から来てお手伝いしてるもん。

それより、お姉ちゃん見せて!見せて
!」



兄貴の横は素通りしてウメちゃんに飛び付き、窓際のテーブルに引っ張っていく。



「何やってんの? あいつ」


「兄貴のカイショー審査」



千波たちを振り返ることもせずカウンターに腰掛ける清海とそれに倣う走太さん。



「カイショー?」



意味が分からず窓際に目をやると、ウメちゃんの左手を掴んで目をキラキラさせている千波。


ウメちゃんの左手にはここからでも分かるくらい輝きを放った指輪が見えた。



「もしかして、エンゲージリング?」


黙って頷く清海。



なるほど、甲斐性…ね。





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