ミントグリーン~糖度0の初恋~
「くららさんは単純過ぎるんです」
私たちの前に立ったままため息をつくカイチくんをくららさんは上目使いで見上げながら口を尖らせた。
「だって紛らわしいんだもの。
というより、カイチくんが千波ちゃんをお気に入りなことは間違いないでしょう?
もしかしてフラれちゃったからオトモダチで留まってるとか?
だとしたら、カイチくんってドMだよね?」
最後はニヤリと笑うくららさんの肩を軽く突いたカイチくんが噛みつくように声をあげた。
「ついでにデリカシーも無さすぎです!
俺をこの場で泣かせたいんですか?!」
「やっぱり図星?」
「これ以上はノーコメントです!」
2人のやり取りはとても自然体でいい関係が築けているんだなと微笑ましかったけどその内容に私が言葉を挟めるわけもない。
「あの…いただきますね?」
私は小さな声で断りを入れてから、
2人がまだ言い合いを続けている前で静かにパンケーキにナイフを入れた。