ミントグリーン~糖度0の初恋~
「明日、デートしよ?」
何回もキスを繰り返してくれた後、私の頭に手を置いたシンタくんが言ってくれた。
今夜はとことん私を甘やかしてくれるらしい。
「バイトは夕方からでしょ?
遠出はできないけど、どっか行こうよ」
「ホントに? じゃあ、映画!!」
即答した私に微笑むシンタくんはどこまでも優しい。
「王道きたね。
何か観たいのあるんだ?」
「うん。 夏休みにさ、シンタくんが私の部屋で読んだ小説。
あれが映画化されてるんだよ?
私、ずっと観に行きたいと思ってたんだー……」
「却下!!」
「早っ! 何で?!」
あまりの即答ぶりにガバッとシンタくんから体を離して見上げたら、苦々しい表情に行き当たる。
だって夏休みに気に入って読んでたじゃん。
わざわざ部屋からお持ち帰りまでして泣いてたよね?
…………そっか。
「大丈夫だよ?
シンタくんが泣いちゃったら、私がハンカチでも胸でも貸してあげる……
ーーーいったーい!!」
言い終わるかどうかと言うところで思い切りおでこを弾かれた。
兄にも同じことをされてるから相当痛い。