ミントグリーン~糖度0の初恋~



ここは日吉の原点なんだろ?


得意気に言った俺にとても焦った様子の日吉。


俺が宮下から仕入れた情報が誤っているのかと確認したら、


『あー…、うん。そうだね』


明らかに安堵の表情を浮かべた。



そこで俺は確信する。


千波湖は、自分の名前のルーツであるということ以上に日吉にとっては特別な場所なんだ。







日吉は湖を眺めながら涙を流す。


この景色の向こうに大切な思い出を映して。



その思い出の中にいるのは、俺にとって今一番出てきてほしくないヒト。



俺の失恋の根元。


俺の最大のライバル。




日吉が6年も想い続けているという



『初恋のキミ』









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