ミントグリーン~糖度0の初恋~




「―――ミントグリーン」


ゆっくり溜めを作ってからはっきり口にした。


言葉にして、改めてシンタさんにぴったりだと満足する。


爽やかで空気清浄器みたいなシンタさんにはこれ以上似合う表現はないんじゃないかと思えるほど、ミントグリーンとシンタさんはマッチしている。



シンタさんは暫く黙ったまま満足げに頷く私を見つめていたが、やがて右手を口許に持っていって盛大に吹き出した。



「……ぶっ。
ミント食べて得意気にその色を口にされても。
千波ちゃん単純すぎ」


「ひどっ。
私は大真面目に言ってるのに。
本当にシンタさんにぴったりだと思ったのにー!」



ちょっとムカついて、シンタさんの左腕をパシンと叩いてやったけど、それすらも楽しそうにシンタさんはずっと笑っていた。



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