ミントグリーン～糖度0の初恋～

「千波ちゃん、それは恋ってやつの始まりだよ」



「はぁっ!?」


『恋』なんて全然身近じゃなかった単語を突き付けられて、顔が真っ赤になるのが分かった。


「そっかそっか。
シンタくんはいいやつだからねぇ。
千波ちゃんが好きになっちゃうのもムリないか」



呆然とする私に構うことなく、1人で納得して1人で頷く春ちゃん。



「ちょ、ちょっと、
春ちゃぁぁん……」



いきなりの脳ミソのキャパを易々と上回る難題に泣き出しそうな私に、
春ちゃんはｸｽﾘと笑いながら言ってくれた。



「こういう感情が初めてなら、
これが千波ちゃんの初恋だね。

大切にしなきゃダメだよ？

大切にゆっくり千波ちゃんの中で育ててごらん？

それで、うまく成就できたらサイコーにカッコいいね？」