ミントグリーン~糖度0の初恋~
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「ちゃんと1人でも横着しないでご飯食べるのよ?
あんたは、いらないところで好奇心旺盛だから変な人に騙されないようにね?
何かあったらすぐにウチか清海に電話しなさいよ?
清海が忙しくても踊子さんにあんたのことお願いしてあるからね?
踊子さんって、電話でしか話してないけどしっかりした方みたいだから私たちも安心はしてるけど…」
「お母さん…。
もうバス出るから。
大丈夫だよ。
もう子供じゃないんだからちゃんと1人でやれるよ」
いつまででも続きそうな母の言葉を遮って、バスの乗車口を顎で示すと母は眉を下げて泣きそうな表情を見せた。
そんな顔しないでよ…。
私は何でもない風を装って、母の背中を押してバスに乗せる。
「千波、あんたはまだまだ子供なんだからね?」
最後に振り返って残していった母の言葉に、何故かバスの運転手さんが大きく頷いていた…。