ミントグリーン~糖度0の初恋~
「入学早々そんな顔して何を悩んでるんだか?
俺で良ければ聞いてやろうか?
まだお客さんもいないしさ」
「別に悩んだりしてるわけじゃないよ。
ただ、今日から大学生になったからね。
出来るだけドラマチックな4年間にしたいなあって思ってた。それだけ」
適当に誤魔化してピーナッツを口に運ぶ。
正直にシンタくんの恋人になるための作戦を練っていたの…なんて言えない。
「はぁ…。そんなこと?
下らない」
私の返事を聞くなりため息をついて、調理を再開するために背中を向けるシンタくん。
「下らないってひどくない?」
「だって下らないじゃんよ。
ドラマチックって何?
ドラマって作ろうと思って作るのはテレビ局だけ。
実際の俺たちみたいな人間が意識して作るもんじゃないだろうよ」
軽やかな包丁の音色と共に難しい話…?