ミントグリーン~糖度0の初恋~




「……それって、私たちみたいな人間にはドラマなんて起こり得ないってこと?」


「ばーか」


振り向いたシンタくんが私の前にサラダを置く。
そして、カウンター越しに身を乗り出して私の額を人差し指で小突いた。



「俺たちの毎日は振り向いたら勝手にドラマになってるの。

作ろうって意識なんかしなくてもいつの間にかちゃんとドラマチックになってんだよ」


「……」



黙ってしまった私にふと微笑みかけながらシンタくんは続ける。


「例えば、ついこの間終わったばかりの高校生活を思い返してみ?

ドラマチックだらけじゃないの?」



そう言われて、高速巻き戻しで高校生活をプレイバックする。


私の生活の中にドラマなんてあったっけ?




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