ミントグリーン~糖度0の初恋~
「千波、清海のやつとてもいい人を見付けたよ」
初めてシンタくんからそう聞かされた時、私はとてもフクザツだった。
その人は絶対に兄を傷つけないのだろうか?
兄を悲しませたりしないのだろうか?
兄以上に臆病になっていた私にシンタくんは言った。
「千波が祝福してやらないでどうするの?
大好きなお兄ちゃんがやっと幸せになろうとしてるのに」
「お兄ちゃんは本当に幸せになれる?
その人は絶対にお兄ちゃんを幸せにしてくれるの?」
そう言いながら泣いてしまった私に優しく言い聞かせるようにシンタくんは話してくれた。
「ウメちゃんなら大丈夫。
彼女自身もとても傷ついた過去を持っているけど、清海はリハビリして助けてあげたいって言ったんだよ?
清海がまた支えてあげたい人を自分で見付けたんだ。
清海はウメちゃんを励ましながら自分のことも鼓舞してどんどん変わっていってる。
ウメちゃんも清海を励ましながらどんどん前向きになってる。
2人はね、お互いにリハビリしながら成長してるんだよ。
俺は2人がとってもいい関係だと思う」